「奈良遷都1300年祭は盛り上がったわね~。
一応、名のある仏像はいくつか見てきたけど、会場混んでたし、なんだかよく分からなかったワ」というアナタ…それはもったいない!
この日本には、素晴らしい仏像がたくさんあります。もっともっと仏像を楽しんじゃいましょう!
Contents
まずは正面から失礼します
仏像を楽しむには、やはり現地へおもむくに限ります。
薄暗い堂内で最初のご対面…最初は正面から拝見いたしましょう。
好きな角度を探してみる
目が慣れてきましたか?
では、ウロウロ歩き回って、あらゆる方向・あらゆる仰角から拝んでみてください。
ヒント
- 「左から見たときの横顔がタイプかも!」
「ちょっと右斜め前から見たときの、腰のひねりと脚線美がセクシー!」
「思いっきり近づいて見上げた時の威圧感ったらないね。シビレルー!」
「ちょっと離れて見たら、目線が合ったような気がしたよ!」
「背中にしょってるギザギザ、近くで見るとめっちゃ細かい!」
「頭のところについてる小さい仏像、一つだけ大爆笑してるのを見つけちゃった!」
などなど…、自分だけのお気に入りポジションを発見してみてください。
何かに例えてみる
仏さまとして拝むだけでなく、自分の身近な人や出来事に例えてみましょう。
だんだんと、仏像が身近な存在になってきませんか?
ヒント
- 「なんか街中のサラリーマンによくいる感じの顔だなぁ」
「このスラッとした仏像、なんとなくあの子に似てる…」
「踏みつぶされてる可哀想なアレ、昔あんな表情で写真撮られたことがあったわ…」
「あの仏像がコンビニ店員だったらかなりハマるなー」
などなど…、卑近な例だと仏像さんに申し訳ないですが、そこは心の中で謝りつつ。
お土産屋さんを覗いてみる
どうですか、予想以上に楽しめたことでしょう。そろそろお堂を出て、帰るといたしましょう。
おっとその前に、せっかく来たのですからお土産はいかがでしょうか。
名だたる仏像は、アイドルよろしく、ブロマイド・ポストカード・写真集などになっています。
ご対面する前にはまったく興味がなかったこれらの写真たちに、いつの間にか吸い寄せられているご自分に気付くことでしょう。
これらの写真は、プロの写真家によって、悔しいぐらいベストポジションから撮られていることが多いです。お気に入りの一枚が見つかれば、家に帰ってからも余韻に浸れますね。
知識武装してみる
仏像世界にどっぷりつかりたい人は、
仏像・仏教に関する知識を仕入れると、さらに楽しめます。
むかーし学校で習った知識を初めてガッテンできるかも?
- その仏像についての解説を読む
→参拝時にもらったパンフレットを読んでみましょう。
お題で取り上げた「空也上人立像」の場合、
『念仏を唱える口から六体の阿弥陀が現れたという伝承のままに洗練された写実彫刻』
とあります。とても真面目に教えを広めていた人だったのでしょうね。
- 仏像のランク
→悟りを開いた「如来」>修行中の「菩薩」>愛を怒りに変えて「明王」>
そんな彼らの護衛役「天部」、など。
- いつも一緒の仲良しメンバー(眷属-けんぞく)
→薬師如来と日光菩薩&月光菩薩&十二神将、
釈迦菩薩と文殊菩薩&普賢菩薩、など。
- 仏像の手に注目
→手の動き(印-いん)や持ち物(持物-じもつ)に注目。
薬師如来は片手にツボを持っていて(薬壺-やっこ)、
もう片手は薬指がちょっと出ている(施無畏印-せむいいん)、など。
- 仏像の作り方、時代
→木製(一本木だったり寄木だったり)、金属製、
乾漆造(布や漆を重ねる、手間のかかる造り方)、塑像(土製)、など。
→飛鳥時代は異国情緒豊かな顔立ち、鎌倉時代は武士好みのガッチリ体型が流行ったそうですよ。
- 仏教の教え
→密教系(秘密の教えをマンダラなどで伝える。空海の真言宗など)、
浄土系(死後、浄土に行けるように阿弥陀仏を信仰。親鸞の浄土真宗など)、など。
「考えるな、感じろ!」
仏像さんには失礼な点もあったかと思いますが、
『対面して何を感じるか。』その一点に尽きます。
アナタもマイ仏像と出会えますように。南無!
(ちなみに、筆者のオススメ仏像スポットは京都・東寺。中でも、講堂「立体曼陀羅」の東側に位置する「持国天」に全てを見透かされる感覚が、鳥肌モノでヤミツキ。ぜひご参考に…)