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個人事業主が納める税金の種類
所得税と消費税は、国におさめる国税です。(消費税は一部が地方税。)
個人事業税と住民税は、地方におさめる地方税です。
税金はどうやって納めるのか? 税金の納付方法
これらの税金は税務署に確定申告を出していればOKです。
確定申告を正しく提出していれば基本的に別の申請をするような必要はありません。
青色申告する場合には事前に青色申告の承認申請書を提出しておく必要があります。
所得税と消費税に関しては、自宅に納税通知書などは届きません。
確定申告の時に税額を計算して、自分から納税します。
個人事業税と住民税は、国税ではなく地方税なのですが、確定申告を出しておけば、税務署からお住まいの地方自治体にその内容で連絡がいくようになっています。そして、それをうけた地方自治体から、個人事業主のもとに納税額と納付方法の通知が郵送で届きます。
住民税や個人事業税は、電話料金や電気料金の支払いと一緒で、振込やコンビニ支払いが選択できます。もちろん、役所や都道府県税事務所へ直接行って納税することもできます。
いつ納める? 各税金の納付時期
まず、2月中旬~3月中旬の間に前年分の会計結果を確定申告します。
その後すぐに納めるのが所得税で、3月15日までに納付します。
その次に納めるのが消費税で、3月31日までに納付する必要がありますが、
後述の通り、消費税は納めなくて良い事業者(免税事業者)も多いのです。
そして、間をおいて6月に住民税の納付通知が地方自治体から届きます。
住民税は、一括納付か分割納付を選ぶ事ができ、
分割の場合には「6月、8月、10月、翌年1月」の4回に分けて納めます。
最後に個人事業税で、8月に都道府県税事務所から納付通知が届きます。
こちらも、自治体によっては一括納付か分割納付を選択できます。
分割払いするのが一般的で、この場合は8月と11月に分けて納めます。
税金 | 納付時期 |
---|---|
所得税 | その年の確定申告の提出期限日まで(3月) |
住民税 | 6月、8月、10月、翌年1月 |
消費税 | 3月31日まで |
個人事業税 | 8月、11月 |
所得税とは、収入から必要経費を差し引いた「所得」に対して課される税金です。
基本的に最も金額が多くなり、個人事業主にとってメインとなる税金です。
納付した所得税を仕訳する場合には「事業主貸」で処理しましょう。
所得税は事業主個人にかかる税金なので「租税公課」として経費処理することはできません。
個人事業主のための所得税
納付時期と納付方法
所得税は3月15日までに納付します。
例年、確定申告期間は2月16日〜3月15日なので、確定申告をしてすぐに納めるイメージです。(その年によって多少日にちが前後します。)
3月15日が土日と重なる年には、期限日が後ろの月曜日にずれるようになっています。
所得税は、確定申告書類を作成するにあたって自分で金額を算出する形になるので、
納めるべき金額が分かったら以下の方法で納税します。(計算方法は後述)
納付方法は、下記3つの方法から選ぶことができます。
1.現金に納付書を添えて納付する
2.銀行口座から振替納税する(事前に税務署へ依頼書の提出が必要)
3.ネットバンキングで電子納税する
銀行口座から振替納税の場合には、4月中旬頃の振替になります。
つまり、所得税の納付が一番遅くなるのは振替納税の方法です。
納付方法の詳細については、以下のページをご覧ください。
住民税の納付時期 – 分割払いと一括払い
確定申告書類を税務署に提出すれば、その内容が各自治体に連絡されることになっています。確定申告をしていれば住民税の申告をする必要はありません。
そして6月頃に、地方自治体から税額の通知書が郵送されます。
住民税は、納税者が一括払いか分割払いを選ぶことができます。
分割払いの場合は、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて、それぞれの末日までに納税します。 ちなみに、一括納付をしても納付金額の割引などはありません。
6月に各個人に届く住民税の通知書には、
分割払いのために1期〜4期で分けられた4枚の納付書と、
一括払いのための4期間分を合計した納付書が同封されています。
分割払いか一括払いは納税者が自由に決める事ができます。
住民税の支払い方法・納税窓口について
支払い方法は、直接役所へ行って納税することもできますが、
1枚あたり30万円以下の住民税額で、バーコード付きの納付書であれば、コンビニ払いなども可能です。 銀行や信用金庫、郵便局の窓口で納税することもできます。
住民税を納付できる窓口
- 銀行、信用金庫など
- 郵便局(ゆうちょ銀行)
- 市区町村の役所
- コンビニ(納付額30万以下で、バーコードが付いている納付書に限る)
また、口座振替の申請を出すことで、銀行口座からの振替納付にすることもできます。
この場合は基本的に、6月末日、8月末日、10月末日、翌年1月末日、
この4回にわたって指定した口座から振替されることになっています。
銀行や信用金庫、信用組合、ゆうちょ銀行などが対応しています。
均等割の金額について
個人事業主の住民税には「都道府県民税」と「市区町村民税」があります。
そして、それぞれに「均等割」と「所得割」の2種類があります。
納税者へ届く納付書には、これらを合算した金額が記載されています。
税金の内訳が気にならない方は、この辺りは読み飛ばして頂いて構いません。
均等割は、所得に関係なく、みんなに平等の税金がかかります。
(一定の所得を下回ると、均等割の住民税は免除してもらえます。)
東京都の場合
「都道府県民税」の均等割は1,000円(平成26~平成35の間は1,500円)
「市区町村民税」の均等割は3,000円(平成26~平成35の間は3,500円)
平成26年〜35年までの間は、復興特別税が加算されて1,500円と3,500円になります。
つまり、平成26年 ~ 平成35年までの東京都の均等割は5,000円です。(1年分で5,000円)
他の都道府県市町村でも、大体の地域で均等割は4,000円 ~ 5,000円前後(1年あたり)です。
個人事業主のための消費税
所得税と住民税はほとんどの個人事業主が納めることになりますが、
消費税と個人事業税は、納めなくて良い個人事業主も多いのです。
消費税の場合
- 開業してから2年間は納めなくてもOK
- 前々年の課税売上高が1,000万円を越えていなければ納めなくてOK
(ただし、前年の上半期だけで課税売上高1,000万を超え、なおかつ、この期間の給与等の支払い金額も1,000万円を超えた場合には、課税事業者となります。)
個人事業主のための個人事業税
個人事業税の場合、
1年間営業を行った場合には、事業主控除として290万円が控除されます。
そのため、年間の事業所得が290万円以下の場合は、個人事業税もかかりません。
「売上 − 経費 = 所得」ですので、
売上から必要経費を差し引いた後の「所得」が290万円以下であれば、
個人事業税を納める必要はないわけです。
各税金の計算方法 – 所得税・消費税・住民税・個人事業税の計算式
各税金の納税額は、以下の計算式で算出できます。
計算方法の詳細や計算例については、各税金のリンク先を参考にしてみて下さい。
各税金のページで、より詳しく解説しています。
所得税
個人事業主にとって最も大きな税金が、この所得税です。
所得税額は、下記の計算式にもとづいて自分で計算し、自ら納付します。
- 所得税の計算式
- 収入 − 必要経費 − 各種控除 = 課税所得金額
課税所得金額 × 税率 − 課税控除額 = 所得税額
1年間の収入から必要経費を差し引き、さらに所得控除などを差し引いた金額が、課税所得金額となります。 この課税所得金額に応じて、下記の税率が決まり、それに応じた課税控除額を差し引いて、納付する所得税額が決定します。
例えば、課税所得金額が500万円になった場合は、税率20%で、控除額427,500円を差し引きます。 5,000,000 × 0.2 = 1,000,000 1,000,000 − 427,500 = 572,500円 この場合は57万2,500円を所得税として納付します。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
(平成27年分以降)
住民税
住民税には「均等割」と「所得割」があります。
住民税は、この均等割と所得割を合計した金額を納めることになります。
均等割は、みんな平等な金額を課されます。大体の地域で均等割は4,000円 ~ 5,000円前後です。(1年分) 一方、所得割はその名の通り、納税者の所得に応じて金額が決定されます。 所得割の税額は、一般にこのような計算式で算出されます。
- 住民税の所得割 計算式
- (所得金額 − 所得控除額)× 10% − 税額控除額 = 所得割の税額
住民税と個人事業税は、地方自治体が計算した金額と納付の方法を郵送で通知してくれますので、自分で計算をする必要はありません。
消費税
課税事業者は、売上と一緒に預かった消費税を全て納付するわけではなく、
仕入れや経費で支払った消費税分を差し引いて納税します。
- 消費税の基本的な計算式
- 課税売上高の8% − 課税仕入等の8% = 消費税の納付税額
消費税の計算方法は、これ以外にもいくつかの方法が用意されていますので、 消費税の課税事業者の方は、納付する消費税の計算方法をご参照下さい。
前述の通り、開業してから2年間は免税事業者でいられますので、消費税を納付する必要はありません。 また、開業してから2年以上経っている場合でも、前々年度の課税売上高が1,000万円未満の場合は、なお免税事業者でいられます。 (ただし、前年の上半期だけで課税売上高1,000万を超え、なおかつ、この期間の給与等の支払い金額も1,000万円を超えた場合には、課税事業者となります。)
個人事業税
個人事業税は地方税で、一番遅く通知が届く税金です。
納付する必要がある事業者には、8月頃に納税通知書が郵送されます。
この通知書にあなたが納税すべき金額や納税方法が記載されています。
納付する必要がない場合には、通知書自体届きません。
- 個人事業税の計算式
- (収入 − 必要経費 − 各種控除 − 事業主控除290万円)× 税率 = 個人事業税
1年間営業していれば、事業主控除として290万円が一律で差し引かれます。 つまり、収入から経費と各種控除を差し引いた金額が290万円以下であれば、個人事業税を納める必要はありません。
場合によって「固定資産税」なども納めることになりますが、
基本的には上記4種類の税金が、個人事業主が納付する主な税金となります。
まとめ
個人事業主が知っておきたい4つの税金どうだったでしょうか?少しでも役に立つ情報を提供できたら嬉しいです。
もちろん、このサイトは消耗品費についてが専門ですが消耗品費だけだとネタが切れてしまうので、このような方針でやっていきたいと考えています。