フィルムカメラを楽しもう!

カメラはすっかりデジタルに移行した感がありますが、それでもフィルムの人気はまだまだ根強いものがあります。デジタル一眼レフを手に入れたことがきっかけでフィルムカメラに興味を持った、という話もよく聞かれます。
デジタル全盛の時代であえてフィルムカメラを楽しむ、その理由を幾つかご紹介します。

フルサイズの画質が楽しめる

デジタル一眼レフの中で、フルサイズと呼ばれる高級機種があります。
フィルムカメラは、このフルサイズ機と同等の光学設計(レンズの大きさやフィルム上に結ぶ像の大きさ)で撮影します。よって、美しいボケや絞ったときの質感の高い描写など、一般的なデジタル一眼カメラに比べてワンランク上の画質を得ることができます。

注意

もともとデジタルカメラがフィルムカメラを模して発達してきたので、『フルサイズ機デジカメはフィルムカメラ相当の高画質が得られるカメラ』、という表現の方が本来の姿です。

所有しているレンズを活かせる

一眼レフ用のレンズは、デジタルとフィルムとで共用できる場合が多いです。すでに一眼レフ用レンズを持っている方なら、フィルムカメラのボディーを入手するだけでフィルムの世界を楽しめます。

注意

ただし、デジタル専用レンズという、小さいセンサー専用に作られたレンズしか持っていない場合は、フィルム用には使用できないので注意が必要です。このようなレンズをフィルムカメラで使う場合、フィルムの隅にまで像が写りません。

 

色合いが正確・自然

最近は少し落ち着いたかもしれませんが、以前はよく、デジタルカメラは色が不自然、などと言われたことがありました。また、デジタルの場合だと、カメラのモニターやPCのモニター、プリンタなど、色を出力する段階で写真の印象が変わってしまうことがあります。
銀 塩写真の技術は、長い時間をかけて成熟してきたものです。フィルムで撮影した写真の場合、あまり不自然になるようなことはありません。また、フィルムの銘 柄によって発色にも個性があります。被写体とフィルムの組み合わせを考えて撮影するのも、フィルムカメラの楽しみの一つです。

注意

フィルムには品質を保証する期限があります。期限内に撮影・現像しましょう。

中古カメラが入手しやすい

中古カメラは安くて種類も多く、特に一眼レフは今のところ抜群のコストパフォーマンスだと思います。高級機が思わぬ安値で入手できたりします。

写真のプロセスを楽しめる

デジタルカメラは、撮ってその場で写真が確認できるのが当たり前。
フィルムの場合だと、撮って、フィルムを現像して、(ネガならプリントを して)、ようやく写真が得られます。それなりに時間やお金もかかり、一見面倒なようですが、これが結構楽しみだったりします。仕上がった写真と対面するま では、写真を撮った旅先でのことを回想したり、傑作と思って撮ったカットの仕上がりを想像して期待したりと、頭の中でいろんなことを考えてしまうので、そ れが結構いい刺激になっているのかもしれません。
それから、私はモノクロフィルムを自宅で現像したことがあるのですが、これはとてもエキサイティ ングな経験でした。例えが強引かもしれませんが、現像、定着を終えたフィルムが暗闇から光の世界へ出てくる瞬間は、雛が卵の殻を割って外の世界へ出てくる 瞬間に似ているでしょうか。ちょっと感動します。
これはデジカメにはない、フィルムならではの楽しみです。

電源の制約が小さい

デジカメは電気で写真を撮るため、電池がなければ撮影ができませんが、フィルムカメラは根本的な部分に電気を使いません。電池がないと動かないという機種もありますが、電池がなくても撮れる機種もあります。
氷点下の状況など、バッテリーが弱ってしまう環境でも、機械式フィルムカメラなら確実に動作します。
また、電池を使うフィルムカメラの場合、専用バッテリーではなく、市販の電池を使うことが多いので、出先で電池が無くなっても何とかなることが多いです。

撮ったものが形として残る

デジカメは電子データで残しますが、フィルムカメラはフィルムやプリントで残します。形として残るので、保存するための装置や見るための装置は必要ありません。

使える場所の制約が少ない

例えばですが、飛行機に乗った時、デジカメは離着陸時には使えませんが、フィルムカメラは使えたりします。

注意

国によっては使えないケースもあるようです。没収注意。

終わりに

このほかにも、フィルムカメラの魅力はまだまだあります。
今でこそ写真はすっかりデジタルが主流になりましたが、そのデジタル写真のプロセスでも、これまでのフィルムのプロセスを踏襲した部分がとても多いです。
長い歴史を持つ銀塩写真の文化に触れることは、これから写真を楽んでいく上で、(それがデジタルであっても)きっと有意義なものになると思います。

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