立ち飲み屋の攻略方法とは?

普通の居酒屋もいいけれど、立ち飲み屋でちょっと一杯ひっかける、そんな大人になってみたい!
「大人のサロン」の仲間入りしてみたい!
…でも、立ち飲みって、ハードルが高いんじゃないの?

いえいえ、そんなことはありません。
少しの「お作法」さえ覚えれば、気楽で、何より経済的。

そんなお作法を、入店~支払いまで、場面別に用意しました!
これを読んで、アナタも大人の階段(立ち飲みの階段)を、1歩登ってみませんか?

入店する時

少人数で!

1~3人程を目安に。
立ち飲み屋はその性質上、もともと狭い立地の店が多いです。
店に着いたら、既に埋まりかけている、なんてことはざら。そんな中に、大人数で押しかける方が、野暮というもの。大勢で飲みたい場合は、立ち飲みでなく普通に居酒屋に行きましょう。もちろん、団体OKの店であれば、どしどし行ってしまえばいいですよ。

出来るだけ身軽に!(荷物編)

最近では、荷物を置ける籠や棚が用意された店もありますが、カウンターだけで「すいませーん!通りまーす!」なんて声が店内に響く店も、まだまだあ ります。そんな店で、通路に荷物を置いてしまって、酔ったお客さんがつまずいてスッテンコロリ!なんてことにもなりかねません。
自分だけでなく、他のお客さんもスムーズに通行できるように、手荷物は極力少なく。せいぜい鞄1つ程度で。財布ひとつで「こんばんは」と入れるようになったら、もう上級者?!

出来るだけ身軽に!(財布編)

1万円札よりは、千円札を。出来れば小銭も用意して。
立ち飲み屋は、一人当たりの単価が比較的低いです。また、店員さんも少ないのが定石です。そんな中では、お釣りのやりとりはなるべく少なくしたいもの。

泥酔して入らない!

これは、立ち飲み屋に限ったことではないですが。(笑)
立ち飲みは、一人客が多い店でもあります。また後でも述べますが、そんなに長く滞在する店でもありません。さっと飲んでさっと帰る。これが基本です。言ってみれば、立ち飲み屋に来る客は、その一瞬の楽しみに集中している、と言ってもいいでしょう。
そんな中に泥酔状態で入っていったら…?
想像するだけで恐ろしくて、これ以上は書けません。
立ち飲み屋は、「スマートな大人の社交場(サロン)」です。泥酔は、決してスマートではないですよね?
出来れば泥酔は2件目以降の落ち着ける店にとっておいて、立ち飲み屋ではせめて、酔ってはいても素面で入店。酔ってしまってもしっかりした足取りで店を出るようにしてください。

注文する時

頼みすぎない。これが鉄則です。
「一気に頼みすぎない」でもあり、「数を多く頼みすぎない」でもあります。

一気に頼みすぎない

「立ち飲み」という体なので、当然カウンターにおけるひとり分の領域は狭いです。
なので、注文は少しずつ。一気に頼んで机の上が皿だらけになった場合に顰蹙ですし、席を詰める時には、大変ですよね。

数を多く頼みすぎない

1回に頼む量が少なくても、どちらかというと「長居は野暮」とされる立ち飲み屋ですから、数を多く頼むことは、自然と長居してしまうことになります。ここはひとつ、粋に、
  ●お酒は1~2合(ジョッキでも1~2杯)
  ●串ものは5本程度を適当に
  ●小鉢っぽいおつまみは、せいぜい2品程度。
こんな感じでさくっと終わらせましょう。
また、ちょっとずつ頼むことで、腹加減も財布加減も分かって経済的…かも。
そうは言っても、美味しいものが多いのも立ち飲み屋です。実践は、なかなか難しいのですが。(笑)

店が混んで来たら?

テーブル席でない立ち飲み屋では、「ここはオレの場所!」という決まったスペースはありません。だいたい、自分の目の前に「コップ+小皿1枚」程度が確保できれば、それがアナタの領域。
ということで…。

アナタが「ご新規さん」だった場合

混み合っている中に入る場合は「失礼します」「スミマセン」とひとこと声をかけて。
まぁ、立ち飲み屋に限らず、社会人であれば、挨拶は当然のマナーですよね。気分よくカウンターの輪に入れたらOK。それをきっかけに、お隣さんと交流を深めるも、よし。ひとり酒と向かい合うも、よし。

アナタが既に飲んで入店済だった場合

店によってスタイルも違うと思いますが、だいたい次の2つのどちらかでしょう。
  ●隣の人と密着しても、とにかく詰める(よく「ずれる」と言います)
  ●カウンターに対して斜め立ちに!(別名:ダーク)
当然自分のスペースは狭くなりますが、その分店や他のお客さんとの一体感は、かなり増します。むしろ、そういう機会も「立ち飲み屋ならではのイベント」と楽しむ余裕が欲しいところ。

支払い時のちょっとした注意

「串立て」のある店だった場合の注意です。
もし、カウンターの上に、食べ終わった串の入れ物があったら、皿でなくこちらに必ず入れましょう。店によっては、串立ての串の本数で計算するところも、あります。

滞在時間について

「はじめに」や「入店する時」でも触れましたが、立ち飲み屋は、「ちょっと一杯ひっかける」「スマートな大人の社交場(サロン)」です。1~2杯でン時間、というのは「長っ尻」と言って嫌われます。これも、店によりますが、立ち飲み屋での滞在時間の目安としては、
 ●せいぜい30~1時間
が目安です。そもそも、酔いが回ってくると、足元もおぼつかなくなって、立っているのがだんだん辛くなってきます。次第に、足も痛くなってきます。それを目安としましょう。
また、お品書きを食べ尽くすよりは、「今日は、これ、とこれ」と決めてしまって、「残りはまた次回」と、多少後ろ髪を引かれる辺りで出ると、次の来店した時への期待が高まります。
もし、1件では飲み足りない場合には、次の店に移ってしまえばいいのです。立ち飲み屋をハシゴするも、よし。落ち着ける2軒目へ行くも、よし。
混んだ店で、お客さんにずれて貰った場合には、「お先に」とひと声かけるのも、声をかけた方も、かけられた方も、気分のいいものです。

おわりに

つらつら書いて来ましたが、要は、「粋」「スマート」「思いやり」に尽きます。多分、こういったことが自然と存在する店が、常連さんが多くて昔からずっと残る、いい店なんだと思います。
立ち飲み文化は、日本だけでなく、イギリスのパブやイタリア、スペインのバールなどにもありますが、きっとそこにも同じ文化が根づいているはず。
お店とお客さんとが、お互いに気分良くやりとりできる、立ち飲み。
多分、立ち飲みをマスターする頃には、社会人としても人間としても、一回り成長していることでしょう。
…というのは、言い過ぎでしょうか?

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